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分断を生まない組織づくりに必要なもの


自己認識の差で職場の働き方が変わる
本リレーコラムでは、人材開発・組織開発に携わる方々に向けて、弊社の講師・コンサルタント陣が「個性を生かし、組織を育てる」ことに役立つ情報をお届けします。

「わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所)」プランナーのかなえです。

今回のテーマは「分断」。組織の活性化に何が必要かを考える一助になれば嬉しいです。

 

【 目 次 】

 

そもそも、分断ってなんだろう?


分断とは、お互いを知る機会も、知ろうとする意欲もあまりなく、「私の仕事は私の仕事」「人の仕事は人の仕事」と、自分の仕事に集中しているグループ同士の状態だと私は捉えています。


どんな組織でも、実は思い当たることがあるのではないでしょうか。


社会人である私たちは、日々、さまざまな単位で常に分断にさらされています。


業界や会社、職位、チーム、所得額などきりがないくらいにさまざまな区分けをされ、その中で、分断を感じないところもあれば、明確に分断を感じる部分もあることと思います。


学生であれば、クラスや部活、習い事、成績、家族構成などで区分けされていると感じるかもしれません。

分断から完全に逃れて暮らすことはできないのがいまの社会だと思います。


分断は会社を元気にしていくことを妨げる

分断ではなく助け合いながら分業すること

組織として生産性を高めようとしたときに、私が不可欠だと思うのは、分業しながらも助け合う精神が浸透していることです。


助け合いの精神がなく、自分の仕事のラインを明確にして仕事が増えないようにする風土は分断を生み、生産性を下げるでしょう。

やっかいなのは、分断しているかどうかは数値からは見えにくいということです。


なぜなら、分業した仕事(外部から見える部分)はしっかり行い、数値上は問題がないようにしているからです。


昨今、数値を達成するために虚偽事実をつくるなどして重大な問題が起きニュースになることがありますが、そうした分断が起きている組織なのではないかと思います。


隣の部署が何かを間違えそうだ。

間違っていることをしているのかもしれない。

いま、声を出せば未然に防げる。

――でも、声をあげることはしない。


理由は、自分の仕事とは無関係であり、巻き込まれるほど面倒なものはないと感じてしまうから。


分断が生じた現場では、そんな「目先のリスク回避」が起きているのかもしれません。


お節介が焼ける風土


「お節介が焼ける風土」というのは、とある企業の人事担当者様の言葉です。

私が伝えたことをうまく表現してくださいました。


日本の古い風土の一つのようにも感じますが、他人(他部署)でも少し足を踏み入れお節介を焼く。これが失われつつあるようにも感じています。


メリット・デメリットはあると思いますが、お節介が焼けない(タイムロスという価値観、あるいはかかわっただけ巻き込まれて損をするリスク)が強い風土では、実は生産性が上がらないように感じています。


スパイダーマンに出てくる教訓

ふと思い出すのは、映画『スパイダーマン』で、ベンおじさんの死に込められた教訓です。

主人公ピーターは、賞金稼ぎのために出たプロレスで思った金額が支払われなかったことに腹を立て、自分と入れ違いに入ってきた強盗を捕まえずにやり過ごします。

その見逃した強盗が、自分の大好きなベンおじさんを襲い、撃ち殺してしまいます。


深い教訓がこめられているな…とハッとした記憶がよみがえります。

刹那的に正しい選択をしなかったことで、ピーターは最大のブーメランをくらう羽目になるのです。


従業員が自分の利益や効率だけを求めるようになると、最終的には会社全体がうまくいかなくなるという、大ブーメランがくるのだろうと私はイメージします。


大切なところだけは絶対に外さない組織づくり

「分断を生まない組織づくりに必要なもの」と偉そうなタイトルをつけてみましたが、言葉でいうような簡単なものではないはずです。

しかし、「大切なところだけは絶対に外さない」こと、企業でいえば、MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を浸透させることがポイントになると思います。


常に、MVVに立ち返って真に重要な問題と向き合うことができているでしょうか。


本当に大切なことが何かを見いだせていたら、変化もいとわずにいられるように思います。

新しい価値観を受け入れることもできるかもしれません。自省の念も込めて、そう思うことがあります。


いま、世界で起きている多くの分断に心を痛めている人は多いと思います。私自身は、まずは身近な単位から、その分断を乗り越え、つながり合い、最強の組織になっていくお手伝いをしたいと思っています。

そうした輪が日本から広がって、いつか世界を変えたら素晴らしいのになぁ!とわくわくします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました!

 

▼この記事を書いた人

藤本かなえ(ふじもと かなえ)

わたし・みらい・創造センター(企業教育総合研究所) プランナー

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