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マネジメントとは?意味や業務管理の方法、マネジメント能力の高い人の特徴などを解説


ワークエンゲージメントの意味とは?尺度や測定方法・ワークエンゲージメントを高める方法などについて解説

企業や組織の持続的成長に不可欠なマネジメントとはどのようなものでしょうか。


マネジメントについての本や論説は多数ありますが、真のマネジメントの意味がよくわからない、管理職になってどのようなマネジメント手法を採用するか悩んでいる、という人も多いでしょう。


この記事では、まずマネジメントの意味や代表的な手法、マネジメント能力が高い人の特徴などについてわかりやすく解説します。マネジメントの基本を理解したうえで、近年重要な経営コンセプトとなりつつある人的資本経営やダイバーシティとのかかわりをみていきましょう。


 

【 目 次 】


 マネジメントとは?

 マネジメントの役職

 マネジメント経験とは

 マネジメントの役割

 業務別マネジメント

 マネジメント能力とは

 マネジメント能力が高い人の特徴

 人的資本経営とは

 部下やメンバーのエンゲージメントを高めるマネジメントとは

 ウェルビーイング経営とは ダイバーシティマネジメントとは

 D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)とは

 ダイバーシティマネジメントの必要性

 ダイバーシティマネジメントの方法

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とマネジメント

 モラルハラスメントへの配慮

 アンガーマネジメントやストレスマネジメントの必要性

 ビジネスマネジャー検定

 プロジェクトマネージャ試験

 メンタルヘルス・マネジメント検定

 


マネジメントの意味



ビジネスでよく耳にするマネジメントという言葉。


しかし「マネジメントとは一言で言うと何?」と聞かれてすぐに答えられる人はあまりいないのではないでしょうか。マネジメントには経営管理や人材育成など、さまざまな意味が含まれます。


まずは一般的なマネジメントの意味や定義、マネジメントを担当する役職にはどのようなものがあるかなどについてわかりやすく解説します。



マネジメントとは?


マネジメントとは、組織が効率的かつ効果的に目標を達成するために、資源や業務を計画・実行するための手法やプロセスを指します。ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源を管理し、成果を最大化することを目的とします。


アメリカの経営学者ピーター・F・ドラッカーは、著書『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』のなかで、マネジメントを「組織に成果を上げさせるための道具」と定義しました。※


マネジメントや組織論で有名な経営学の巨匠ヘンリー・ミンツバーグは「マネジメントは実践の行為である」とし、マネジメントには「コントロールと意思決定であり、実行と取引であり、思考とリーダーシップであり、それ以外のもろもろのすべての活動のこと」を含むと定義しています。※※


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※参考:『明日を支配するもの 21世紀のマネジメント革命』P.F.ドラッカー:著 上田 惇生:訳 ダイヤモンド社


※※参考:DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー| 組織文化/組織開発|連載『ミンツバーグの組織論──7つの類型と力学、そしてその先へ』 第6回



マネジメントの役職


マネジメントを担当する役職は、トップ・ミドル・ロワーの3段階に分類できます。


ロワーからミドルマネジメントの役職としては、一般的に「マネージャー」や「ディレクター」「リーダー」といった名称が使われます。日本では係長・課長・部長など一定の管理職を指すことが多いでしょう。


トップマネジメントの役職には、会長や社長、副社長、専務などの経営者層が該当します。海外では、CEOやCOO、ゼネラルマネージャーなどといった呼称のいわゆるエグゼクティブがトップマネジメント層の役職にあたります。


マネジメントとは、基本的に直接企業の経営に携わる役職を指すため、第三者の立場から監視や中立的助言を行う監査役や社外取締役は除外するのが一般的です。



マネジメント経験とは


企業の採用の条件として「マネジメント経験」が挙げられていることがありますが、具体的にマネジメント経験とはどのようなことを指すのでしょうか。


マネジメント経験とは、一般的には組織やチームの運営に携わった経験を指します。つまり、プロジェクトの進行管理や、チームメンバーの指導や評価、予算の管理などの経験です。必ずしも特定の役職や管理職経験を指すわけではありませんが、採用の条件などでマネジメント経験が挙げられている際には、具体的な定義を確認するようにしましょう。


採用時にマネジメント経験をアピールする際には、自分自身のキャリアを振り返り、部下や後輩の指導、育成、プロジェクトの運営管理など具体的な例を挙げてアピールすることが大切です。



マネジメントの役割と業務別マネジメント



マネジメントの定義や意味は多岐にわたるため、具体的なイメージが難しいと感じられるかもしれません。


マネジメントにはどのような役割があり、業務別のマネジメントにどのような手法があるのか具体的にみていきましょう。



マネジメントの役割


マネジメントの主な役割は、組織やチームが目標を達成するための効率的な運営をサポートすることです。前出のミンツバーグは、管理職の管理的役割を、「対人関係」「情報関係」「意思決定」という 3 つの領域に大別したうえで、それぞれの領域に該当する 10 の役割を指摘しています。※


領域

具体的な役割

対人関係の役割

フィギュアヘッド

リーダー

リエゾン

情報関係の役割

モニター

周知伝達役

スポークスマン

意思決定の役割

企業家

障害処理者

資源配分者

交渉者

※参考:日本労働研究雑誌2020年12月号(No.725)特集『管理職の役割の変化とその課題』


マネジメントにはこういった業務の管理的な側面に加え、より長期的なビジョンや計画の達成、大きな組織の運営のために、以下のような役割が求められます。


  1. リソースの最適化

  2. メンバーのモチベーションや組織全体の生産性の向上

  3. リスクマネジメント


第一は、リソースの最適化です。人材、時間、予算などの限られた資源を効果的に配分し、最大限の成果を引き出すことが求められます。リソースを最適化して企業の利益や成長力を増大させることが、マネジメントの肝といえるでしょう。


さらに、マネジメントには、メンバーのモチベーションを向上させることも含まれます。信頼関係の構築やフィードバックを通じてメンバーのやる気を引き出し、チーム全体の生産性を高めることなどです。ただ管理や統率するだけでなく、メンバーのモチベーションや育成まで視野に入れているのがマネジメントの役割です。


また、近年ではマネジメントとしてリスク管理(リスクマネジメント)の重要性も高まっています。企業を取り巻く環境は変化のスピードを増してきており、事故や戦争、訴訟や犯罪、制度の改定、為替や金利の変動など、企業がさらされているリスクは複雑化・多様化しています。このような環境のなか、経営者サイドにはリスクを組織的に管理し、損失などの回避や低減を図るリスクマネジメントが求められているのです。


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業務別マネジメント



マネジメントは、業務の種類によって求められる内容が異なります。


組織運営や人材育成など業務別にマネジメント手法を分けたなかで、代表的なものを以下に解説します。


  • チームマネジメント

チームマネジメントは、メンバー間の連携を促し、個々のスキルを最大限に引き出すことを目的とします。リーダーとしてメンバーの役割を明確にし、適材適所で配置することで、チーム全体のパフォーマンスを最適化します。


チームマネジメントは、メンバー間のコミュニケーションや指導力、コーチング力など、総合的なマネジメントスキルが必要とされる最も基本的なマネジメント手法です。このため、多くの企業のマネジメント研修などでチームマネジメントが採用されています。


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  • プロジェクトマネジメント

プロジェクトマネジメントでは、具体的な目標を達成するための計画策定と進捗管理が重要です。タスクの割り振りやスケジュール管理、リスク対応策の策定を行い、プロジェクトの成功に導きます。


プロジェクトで業務を遂行することが多いITや建設、コンサルなどの業界、あるいは技術開発や研究主導型の企業などで特に必要とされるのが特徴です。


  • ナレッジマネジメント

ナレッジマネジメントは、組織内で得られた知識や経験である「ナレッジ」を共有し、活用することを指します。情報共有の仕組みを整え、メンバーが効率よく業務を進められるようサポートします。


ナレッジマネジメントは1990年代から日本で提唱されてきた経営手法で、1998年には日本ナレッジマネジメント学会が設立、2018年には国際規格「ISO 30401 Knowledge management system」が発行されています。


  • タレントマネジメント

タレントマネジメントは、人材の才能を見極め、育成することに重点を置きます。適切なキャリア支援やスキル開発の機会を提供することで、従業員の成長を促します。


エンターテイメントやクリエイティブ産業などで特に用いられてきたマネジメント手法ですが、近年では人材の流動化や高度な専門的知識やスキルが求められる人材の競争激化に伴い、業界や業種を問わず注目されています。


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  • モチベーションマネジメント

モチベーションマネジメントは、タレントマネジメントと同じく、人材管理に重きを置いたマネジメント手法です。


最近では若い人たちの間で「静かな退職」という現象が広がっているのを知っていますか。静かな退職とは、本当に退職するわけではないが最低限の仕事しかやらない消極的な姿勢のことをいいます。


メンバーが静かな退職のような状態では、組織の生産性向上や持続的成長はとても期待できません。すでに説明したように、マネジメントにはメンバーのモチベーション向上や育成も含まれています。

達成感を得られる目標設定や、努力が正当に評価される制度設計などで特にメンバーのモチベーションアップに重点を置くのがモチベーションマネジメントの特徴です。


モチベーションマネジメントでは、メンバーが主体的に業務に取り組める環境を整えることを目指します。


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  • ストレスマネジメント

ストレスマネジメントとは、仕事や日常生活で生じるストレスを適切にコントロールし、心身の健康を維持するための手法です。


ビジネスの現場では、過度なストレスが生産性の低下や離職率の増加につながるため、その管理が重要視されています。具体的な方法として、ストレスチェックを活用した早期発見、リラクゼーション法の導入、ワークライフバランスの見直しなどが挙げられます。特にリーダーは、チーム全体のストレス状況を把握し、個々のメンバーが抱える課題に適切に対応する能力が求められます。


  • アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、自分や他者の「怒り」の感情を適切にコントロールするための技術です。感情に任せた言動は職場の人間関係や組織の雰囲気を悪化させる可能性があるため、その防止策として注目されています。


具体的な手法として、怒りを覚えた際に「6秒ルール」を活用して冷静さを保つ方法や、感情の原因を明確に分析して建設的な対処をする方法があります。また、職場では、アンガーマネジメント研修を実施し、従業員全員が感情管理スキルを習得する取り組みも増えています。



マネジメント能力とは?マネジメント能力が高い人の特徴



ビジネスにとってマネジメントが重要であることはわかりましたが、具体的にマネジメントに必要な能力やスキルとはどのようなものなのでしょうか。ここではマネジメント能力とは何か、マネジメント能力が高い人の特徴を解説します。



マネジメント能力とは


マネジメント能力とは、組織やチームが目標を達成するために必要な計画・管理・調整を行う力を指します。具体的には、業務目標の設定、リソースの配分、メンバーの指導といった役割を通じて、成果を最大化するためのスキルです。


マネジメントには、対人関係能力であるヒューマンスキル、業務遂行能力としてのテクニカルスキル、戦略的に考え組織全体を動かせるコンセプチュアルスキルの3つの能力が必要といわれています。


マネジメント能力が高い人は、限られたリソースを最大限に活用し、チーム全体のパフォーマンスを向上させられるでしょう。


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マネジメント能力が高い人の特徴


マネジメント能力が高い人には、以下のような特徴がみられます。


1. コミュニケーション能力が高い

メンバーとの信頼関係を構築し、明確な指示を伝えられる人は、チームを効率的に運営できます。特に、聞く力や共感力に優れている人は、メンバーの意見や状況を適切に把握しやすく、問題解決がスムーズに行えます。組織内でメンバーが意見を言いやすいような雰囲気をつくるために、心理的安全性を確保する取り組みも重要です。


コミュニケーション能力が高いマネージャーや管理職は、組織の成果向上に貢献できるだけでなく、職場の人間関係を改善し、組織の運営力自体を高められるでしょう。


2. 計画性と実行力がある

マネジメント能力が高い人は、短期的なタスクと長期的な目標の両方を考慮した計画を立てる力があります。そのうえで、計画を実行に移し、進捗を管理し、必要に応じて軌道修正を行う実行力も備えています。


3. 柔軟性がある

状況に応じて適切な対応を選択できる柔軟性も重要な特徴です。たとえば、予期せぬトラブルが発生しても冷静に対処し、チーム全体が円滑に動けるようサポートする姿勢が求められます。


4. メンバーの成長を促進する

マネジメント能力が高い人は、メンバーのスキルや能力を見極め、それを伸ばすための指導が得意です。個々の強みを活かしつつ、チーム全体で目標達成に向かう環境を整えられます。


5.セルフマネジメントができる

マネジメントには自己管理能力(セルフマネジメント力)も必要です。セルフマネジメントとは、目標達成や自己実現のために自分自身を管理することで、パフォーマンスを向上させることをいいます。管理する対象は、スケジュールや時間・タスクだけでなく、モチベーションや体調・精神状態など多岐にわたります。


企業や組織でマネジメントを行う際には、自分自身のセルフマネジメントができることはもちろんのこと、メンバーや部下がセルフマネジメントできるような仕組みや環境を整えることも大切です。


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人的資本経営とマネジメント



近年、人材を資本として考える「人的資本経営」という言葉がよく聞かれるようになりました。


経済産業省では「人的資本経営コンソーシアム」を設立し、先進事例の共有や企業間協力に向けた議論・情報開示などを行っています。2020年には日本国内企業の人的資本経営を考える上での指針となる「人材版伊藤レポート」という報告書を公表し、日本でも人的資本経営に向けた取り組みが進んでいます。


ここでは、人的資本経営におけるマネジメントについて、人的資源、エンゲージメント、ウェルビーイング経営の3つのポイントに分けて解説します。



人的資本経営とは


人的資本経営とは、人材を資本として捉える考え方です。


環境や人権などの問題意識の高まりとともに、企業も利潤だけを追求するのではなく、環境(Environment)、社会(Society)、ガバナンス(Governance)の3つの要素を重視するESG経営が求められています。企業がESG経営をおこない、持続的成長への競争力を高めるうえで、人的資本経営が注目されているのです。


アメリカの著名な経営学者であるレイモンド・E・マイルズは、マネジメントのモデルを「伝統モデル」「人間関係モデル」「人的資源モデル」の3つに分け、「人的資源モデル」のマネジメントの特徴として以下のような点を挙げています。


  • 働く人間の主体性や自立性を尊重した人間観

  • メンバーの能力を発揮させるような環境づくり

  • 人材を資源ととらえ、未開発の人的資源を活用


人的資本経営におけるマネジメントでは、メンバーの主体性・自立性・創造性などを尊重する人間観が基本となります。そのうえで、メンバーの能力を未開発の潜在的部分を含めて最大限に活用できるよう環境や組織を整えていくのが「人的資源モデル」のマネジメントといえるでしょう。


※参考:『マネジメントにおける人間の資源化』渡邉厚代 著 · 2005経営研究 第19巻 第1号 平成17年9月

file:///C:/Users/mmiol/Downloads/KJ00004862754.pdf



部下やメンバーのエンゲージメントを高めるマネジメントとは


人的資本経営におけるマネジメントでは、企業や組織の生産性や価値の向上のため、部下やメンバーの満足度やエンゲージメントを高めることが重要です。


ビジネスにおけるエンゲージメントとは、従業員の愛社精神や組織への愛着度を意味します。従業員のエンゲージメントが低い企業では、人材の流出や生産性の低下などにつながり、持続的成長を維持することが難しくなります。


部下のエンゲージメントを高めるために、マネジメントには以下のような視点を取り入れるとよいでしょう。


  • ビジョンやミッションの共有

  • 組織内のコミュニケーションの活性化

  • ライフワークバランスを意識した環境

  • 適切なフィードバックや人事考課


優秀な人材の確保や組織活性化による企業価値向上のため、メンバーのエンゲージメントを高めるマネジメントが求められています。


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ウェルビーイング経営とは


ウェルビーイング経営とは、従業員の身体的・精神的・社会的幸福度や充実感を重視した経営手法をいいます。元々、ウェルビーイングとはWHO憲章の「健康の定義」で表された考え方です。

Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.

健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。※

引用元:公益社団法人 日本WHO協会|


人的資本経営におけるマネジメントでは、メンバーがやりがいを持って生き生きと働ける環境をつくり、エンゲージメントとともに生産性や効率性を向上させることが必要です。こういった職場環境を実現するために、メンバーの心身の健康に関連した取り組みや職場の一体感の醸成などを行うウェルビーイング経営の手法が注目されています。



ダイバーシティマネジメントとは



ダイバーシティマネジメントとは、職場の多様性(ダイバーシティ)に柔軟に対応しながら、それを生かしていくマネジメント手法のことです。


ここでは、近年注目されているD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)とは何か、ダイバーシティマネジメントの必要性や方法について解説します。



D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)とは


D&I(Diversity & Inclusion)とは、「Diversity 多様性」と「Inclusion 包摂」を合わせた言葉です。


ダイバーシティは、年齢や性別、国籍、障がいの有無、性的指向など、個人の違いを指します。一方、インクルージョンとは、こうした多様な個性が互いに尊重され、平等に活躍できる環境をつくることです。


国際化や消費者ニーズの多様化に伴い、企業の持続的成長のためにD&Iは不可欠な要素となりつつあります。


また、高齢化が進み労働力不足が深刻化する日本では、年齢や性別、障害の有無や国籍などにかかわらず人材を受け入れる必要に迫られています。D&Iは、さきほど説明した人的資本経営を実現するためにも欠かせないコンセプトです。


インクルーシブな社会では、企業は商品やサービスだけでなく、企業文化そのものにD&Iの視点を取り入れることが求められています。


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ダイバーシティマネジメントの必要性


ダイバーシティマネジメントとは、職場や組織のダイバーシティを受け入れて、それを活用していくマネジメントです。


価値観の多様化、労働人口の減少、グローバル化が進むなかで、ダイバーシティの重要性が増しています。新卒採用で若年男性を大量に雇用してゼロから育成していた時代とは異なり、現代の職場では女性・高齢者・障害者・外国人などさまざまな属性や特性の人を受け入れることが必要です。急速なグローバル化やIT化の進捗により、Z世代やα世代と呼ばれる新しい価値観や志向を持った若年者層を活用していくことも求められています。


多様な人材のエンゲージメントやモチベーションを向上させ、優秀な人材を確保・活用していくダイバーシティマネジメントが重要となっています。また、多様な人材を受け入れることで、新しいアイデアや視点が組織にもたらされるでしょう。



ダイバーシティマネジメントの方法


ダイバーシティマネジメントを効果的に実施するためには、 経営層がダイバーシティの重要性を理解し、具体的な方針を示すことが重要です。


ダイバーシティマネジメントの具体的な方法としては、たとえば以下のような事例が挙げられます。


  1. 柔軟な働き方の導入

  2. 多様性理解のための研修やトレーニング実施

  3. 高齢者や障害者などの雇用促進


リモートワークやフレックスタイム制など柔軟な働き方を導入することで、従業員はライフワークバランスの充実や育児・介護との両立などが可能になり、女性活躍推進にもつながるでしょう。


また、企業文化にD&Iを根付かせるためには、従業員にダイバーシティを尊重するための研修やトレーニングを実施することも大切です。


ダイバーシティマネジメントの一環として、障害者雇用枠や退職者のアルムナイ採用など、高齢者や障害者などの雇用を促進する制度を導入している企業もあります。


経営層がダイバーシティマネジメントの重要性を理解し、具体的な取り組みを継続的に実施することで、多様性を組織の競争力に変えることが可能になるでしょう。



これからのマネジメントに必要な能力や考え



現代のビジネス環境は、DX(デジタルトランスフォーメーション)の進展や多様性の重視、働き方改革の推進などにより、大きな変化を迎えています。マネジメントをする人は、従来の管理能力に加え、変化に柔軟に対応し、チームを導く新たな能力が求められているのです。


デジタルツールを活用できるスキルや、モラルハラスメントを防止して公平な職場環境を整える能力、そして感情や負担を適切にコントロールする力などが、これからのマネジメントの鍵となるでしょう。


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DX(デジタルトランスフォーメーション)とマネジメント


DX(デジタルトランスフォーメーション)は、企業の競争力を維持・向上させるために不可欠な要素です。マネジメントにおいても、デジタルツールの導入やデータ活用は効率化や意思決定の迅速化に寄与します。


具体的には、プロジェクト管理ツールを使ったタスク進捗の可視化や、データ分析に基づく意思決定などが挙げられます。また、リモートワークの普及により、オンラインでチームをマネジメントできるスキルも重要です。


DXを活用すれば、時間や場所に縛られずにメンバーを適切に管理できます。DXを活用するマネージャーは、変化に対応できる柔軟性と新しい技術に対する積極的な姿勢を両立することが必要です。



モラルハラスメントへの配慮


職場環境の向上には、モラルハラスメントへの適切な対応が欠かせません。モラルハラスメントは、言葉や態度によって他者に精神的苦痛を与える行為を指し、職場の士気を低下させ、生産性に悪影響を及ぼします。


マネージャーは、モラルハラスメントの兆候を見逃さないことが重要です。具体的には、定期的な個別面談やストレスチェックを実施し、従業員の声に耳を傾けることが効果的です。


また、ハラスメントに関する研修を導入し、組織全体でハラスメントの認識を深める取り組みも必要です。公平で透明性のある職場環境を整えることが、メンバーの信頼を築き、パフォーマンス向上につながります。



アンガーマネジメントやストレスマネジメントの必要性


現代のビジネス環境では、マネジメントを行う人が、自分の感情やストレスをいかにコントロールできるかが重要です。


叱責や暴力を伴うパワーハラスメントが許されないのはもちろんのこと、最近では職場において不機嫌な態度をとることで周囲に圧力や不快を与える「不機嫌ハラスメント(フキハラ)」も問題になっています。マネージャーにとって、感情やストレスを適切にコントロールできるアンガーマネジメントやストレスマネジメントが必須のスキルとなっているのです。


アンガーマネジメントでは、自身の怒りの感情を冷静に分析し、衝動的な行動を抑える技術が求められます。たとえば、怒りのピークで深呼吸を行い、冷静に対処する習慣をつけることが有効です。一方、ストレスマネジメントは、チーム全体の生産性を維持するために、適切な業務負荷の調整や休息の奨励を行います。



マネジメント資格やマネジメント検定



マネジメントの知識やスキルを証明し、キャリアアップを目指す際に有効な資格が数多く存在します。これらの資格は、業務遂行力を高めるだけでなく、職場での信頼を築くための重要な手段です。


最後に、「ビジネスマネジャー検定」「プロジェクトマネージャ試験」「メンタルヘルス・マネジメント検定」など、代表的なマネジメント資格や検定について解説しますので参考にしてください。



ビジネスマネジャー検定


ビジネスマネジャー検定は、東京商工会議所が主催する公的資格で、管理職に必要な基礎知識を網羅的に学べます。2015年より実施されており、主な学習範囲は以下の3つです。

カテゴリー

具体的な学習内容

人と組織のマネジメント

コミュニケーション、チームビルディング、人材育成など

業務のマネジメント

事業管理、マーケティング、財務分析など


リスクのマネジメント

コンプライアンス、メンタルヘルス対応、クレーム対応、情報管理など

試験は年2回、受験者自身のパソコン・インターネット環境を利用し試験を受けられるIBT方式と、全国各地のテストセンターで備え付けのパソコンで受験するCBT方式の2種類から選べます。


受験資格に学歴・年齢・性別・国籍による制限などはなく、2024年7月の試験では6120人が受験しました。


マネジャーが共通して身につけておくべき基本的なマネジメントスキルや知識を効率的に学習・習得できる資格です。


※参考:東京商工会議所検定サイト | ビジネスマネジャー検定試験とは



プロジェクトマネージャ試験


プロジェクトマネージャ試験は、情報処理推進機構(IPA)が実施する国家試験の一つで、特にIT業界で注目されています。システム開発プロジェクトにおいてプロジェクトマネジメント業務を主導的に実行できるマネージャ資格です。

試験要綱では、以下のような知識・実践能力が必要とされています。

  1. 組織の戦略及びシステム全般に関する基本的な事項

  2. プロジェクトを取り巻く環境の変化、及びステークホルダの期待を正しく認識してプロジェクト計画を作成する

  3. プロジェクトの目標を設定して、その達成に最適なライフサイクルと開発アプローチの選択,及びマネジメントプロセスの修整ができる

  4. プロジェクトマネジメントの業務の分担に応じて、プロジェクトチームの全体意識を統一してパフォーマンスの向上を図り、またプロジェクトチームの自律的な成長を促進できる

  5.  プロジェクトに影響を与えるリスクや不確かさに適切に対応するための多様な考えを理解して、変化に柔軟に適応できる。

  6. プロジェクトの計画・実績を適切に分析・評価できる。また,その結果をプロジェクトのその後のマネジメントに活用できるとともに、ほかのプロジェクトの参考に資することができる


引用元:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報

https://www.ipa.go.jp/shiken/kubun/pm.html

試験は年1回、記述式で行われます。2023年度の試験では、7,888人が受験し合格者数は1,066人、合格率は13.5%の結果となっています。


プロジェクト管理に必要な理論と実践力を総合的に問われるため、実務経験を有する人におすすめの資格です。


※参考:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構|プロジェクトマネージャ試験 | 試験情報


メンタルヘルス・マネジメント検定


メンタルヘルス・マネジメント検定は、職場の心の健康を守るための知識とスキルを認定する試験です。主催は大阪商工会議所で、以下の3つのレベルに分かれています。

コース

対象

出題内容

I種

(マスターコース)

人事労務管理スタッフ、

経営幹部

ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識、メンタルヘルスケアに関する方針と計画の策定・立案など組織全体のメンタルヘルス対策を推進する能力

II種

(ラインケアコース)

管理職

職場環境等の評価および改善の方法

、個々の労働者への配慮など管理監督者としてのメンタルヘルスケア

III種

(セルフケアコース)

一般社員

ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識、セルフケアの重要性など自分自身のメンタルヘルス管理


メンタルヘルス・マネジメント検定の公開試験は、年2回、全国15都市の指定会場で一斉に実施されます。このほか、企業など任意に試験の日時・場所を設定し実施する団体特別試験方式もあります。


検定試験は2006年より実施されており、メンタルヘルスケアの重要性の高まりとともに受験者数は増加傾向にあり、2024年の試験では、II種13,065人、III種5,477人が受験しています。


※参考:メンタルヘルス・マネジメント検定試験 | 働く人たちの心の健康と活力ある職場づくりのために




オーセンティックリーダーズ・アカデミアは、「変動性、不確実性、複雑性、曖昧性」にあふれるVUCAの時代において、リーダーのために必要な経営学を横断的に学べるスクールです。


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