
最近、α世代という言葉を耳にしますが、何歳に当たる世代なのか知っていますか?
ゆとり世代、さとり世代、Z世代…次々とジェネレーションを表す言葉が出てきて混乱してしまう方も多いかもしれません。
本コラムでは、α世代とは何か、Z世代との違いや特徴などをわかりやすく解説します。
【 目 次 】
α世代の意味と年齢
α世代という言葉はいつから?
α世代の親世代はミレニアル世代(Y世代)
SNSや動画コンテンツ中心の情報収集
学校教育におけるAI・プログラミングの影響
環境問題や社会課題への関心が高い
α世代とZ世代の年齢層
Z世代はSNSの普及期、α世代は完全デジタルネイティブ
α世代とZ世代の教育や価値観の違い
短時間で価値を伝える「タイパ」重視の戦略
メタバースやバーチャル空間でのプロモーション
サステナブルでエシカルなブランド戦略
α(アルファ)世代とは?何歳に当たるのか

α(アルファ)世代とは、新社会人となるZ世代の次の世代、2010年から2014年のあいだに生まれた世代のことを指します。
まずはα世代がいま現在何歳くらいの年齢層なのか、いつから使われている言葉なのかなどを説明します。
α世代の意味と年齢
α(アルファ)世代とは、2010年から2024年に生まれた世代のことです。つまり、2025年現在では0~15歳の未成年者層に当たります。
α世代は、生まれたときからSNSやオンライン教育に馴染んでいるデジタルネイティブであること、環境問題や社会問題に敏感であることなどが特徴です。
「α」はギリシア語のアルファベットの最初の文字であり、アルファベットの最後である「Z」世代の次の世代として、21世紀の始まりから生まれた世代という意味でつけられました。
α世代という言葉はいつから?
α(アルファ)世代という用語は英語で「generation α」と表し、2010年代から使われるようになりました。
最初に提唱したのは、オーストラリアの社会研究者マーク・マクリンドルです。
マクリンドルは、Z世代に続く次の世代としてα世代を位置づけ、「これまでで最もグローバルに接続された子どもの世代 the most globally connected generation of children ever」だとしています。
世界的には、2025年までにα世代の総人口は約20億人の規模に達するといわれています。※
日本では、世代を表す場合「団塊ジュニア世代」「ゆとり世代」など独自の言葉を用いていましたが、ミレニアル世代やZ世代のころからグローバルな表現が使われるようになりました。Z世代などの言葉の浸透を受け、α世代という言葉も2010年代後半ごろからよく使われています。
※参考:
α世代の親世代はミレニアル世代(Y世代)
α世代の親の中心的な年齢層は、ミレニアル世代です。ミレニアル世代とは、1981年から1990年代なかばごろまでに生まれた世代を指します。
Millennium(千年紀)を迎える2000年以降に成人や社会人になったことに由来し、英語では、Millennials(ミレニアルズ)と呼ばれています。
α(アルファ)世代の特徴とは?

α(アルファ)世代は、2010年以降に生まれた子どもたちを指し、完全なるデジタルネイティブ世代として成長しています。
SNSや動画コンテンツを通じての情報収集、AIやプログラミングの教育への導入、環境問題や社会課題への意識の高さなどが特徴です。
ここでは、α世代の代表的な特徴を3つの視点から解説します。
SNSや動画コンテンツ中心の情報収集
α世代の特徴として、情報収集の中心がSNSや動画コンテンツである点が挙げられます。
従来の世代は、ネットのなかでも検索エンジンを主な情報源としていましたが、α世代はTikTokやYouTubeなどの動画プラットフォームを活用して情報を得る傾向が強くなっています。
短時間で直感的に理解できるコンテンツを好み、長文の記事やテレビニュースよりも、インフルエンサーによる解説動画やSNSのトレンドを参考にする傾向があります。
また、α世代はスマートフォンを早くから使いこなすため、情報の取捨選択能力も高く、興味のある分野に関しては深い知識を持っていることが多いのも特徴です。
学校教育におけるAI・プログラミングの影響
α世代では、AIやプログラミング教育の導入が進み、子どもたちは論理的思考やデータ分析のスキルを学ぶ機会が増えています。
日本では2020年から小学校でプログラミング教育が必修化され、子どもたちはロボットやアプリ開発を通じて、デジタル技術への理解を深めています。
また、AIの進化によって、従来の暗記型学習から、創造的思考や問題解決力を重視する教育へと移行しています。α世代はテクノロジーに対する適応力が高く、デジタルリテラシーを自然と身につけているのが特徴です。
環境問題や社会課題への関心が高い
α世代は、環境問題や社会課題に対する関心が高い傾向にあります。気候変動やプラスチック削減、サステナブルなライフスタイルなどのテーマが、幼少期から学校教育や家庭で取り上げられており、持続可能な社会の実現に向けた意識が根付いています。
特に、SNSを通じて環境問題や社会的な課題に関する情報を得ることが多く、世界的なムーブメントにも敏感に反応します。エシカル消費やサステナブルなブランドを選ぶ傾向が強く、企業の環境対策や社会的責任への取り組みに関心を示します。
α(アルファ)世代とZ世代の違いとは?

α世代とZ世代は、それぞれ異なる時代に生まれた世代であり、デジタル環境や教育、価値観などにおいて違いがあります。
α世代とZ世代の年齢層、デジタル環境、教育や価値観の違いについて詳しくみていきましょう。
α世代とz世代の年齢層
前述のとおり、Z世代は1996年から2010年ごろに生まれた世代を指し、α世代は2010年以降に生まれた世代とされています。
2025年時点では、Z世代の年齢はおおよそ15歳から29歳、α世代は0歳から14歳です。
国際的な人口比率でみると、Z世代はすでに消費市場の主要層となっており、就職やライフイベントを経験する時期にあります。
一方、α世代はまだ未成年が中心ですが、2025年には世界最大の世代となると予測されており、今後のマーケットの主役となる可能性が高いです。
Z世代はSNSの普及期、α世代は完全デジタルネイティブ
Z世代は、SNSの普及とともに成長した世代です。彼らが幼少期から10代を過ごすあいだに、Facebook、Instagram、TikTokといったSNSが登場し、デジタルコミュニケーションが日常化しました。そのため、Z世代はSNSを情報収集やコミュニケーションの手段として活用する傾向が強いです。
一方、α世代は、スマートフォンやタブレットが当たり前の環境で育った完全なデジタルネイティブです。生まれたときからYouTubeやNetflixなどの動画コンテンツが身近にあり、検索やSNSの活用だけでなく、AIアシスタントを使いこなすことも一般的です。
α世代とZ世代の教育や価値観の違い
Z世代とα世代では、教育環境や価値観にも違いがあります。
Z世代は、オンライン学習が普及し始めた時期に学校教育を受けた世代であり、デジタル技術に適応しながらも、対面での学習やアナログな学習方法も経験しています。
一方、α世代は、タブレットやAIを活用した学習が標準となっている世代であり、幼少期からプログラミング教育やデジタルツールを用いた学びが取り入れられています。
また、価値観に関しても、Z世代は個人主義的で多様性を尊重する一方、α世代はより社会問題に対する意識が高く、環境保護やエシカルな消費行動を重視する傾向があります。
Z世代の特徴やZ世代の新入社員への接し方などについては、以下のコラムでも詳しく解説していますので、ご参照ください。
Z世代の特徴とは? 新入社員との関わり方で意識したいこと
α(アルファ)世代へのマーケティング

デジタルネイティブとして生まれたα世代は、これまでの世代とは異なる価値観を持つため、企業も独自のマーケティング戦略を検討しています。
ここでは、α世代の特徴を踏まえた効果的なマーケティングを解説します。α世代の採用や人材育成の戦略や方針にも役立ちますので、ぜひ参考にしてください。
短時間で価値を伝える「タイパ」重視の戦略
α世代は、情報を短時間で効率的に得る「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する傾向があります。膨大な情報があふれるデジタル環境で育った彼らは、長い説明よりも、瞬時に理解できる要点がまとめられたコンテンツを好みます。
この特性に対応するには、動画コンテンツやインフォグラフィックを活用し、視覚的に伝わりやすい情報設計が求められます。特に、TikTokやYouTubeショートなどのショート動画プラットフォームを活用し、簡潔かつインパクトのあるメッセージを発信するとよいでしょう。
メタバースやバーチャル空間でのプロモーション
α世代は、現実とデジタルの境界が曖昧な環境で育っており、メタバースやバーチャル空間への関心が高い世代です。ゲームやSNSを通じて仮想世界に親しんでおり、ブランドのプロモーション活動もデジタル空間での展開が求められます。
NFT(非代替性トークン)を活用した限定アイテムの提供や、バーチャルイベントの開催など、リアルとデジタルの融合した体験を提供するとよいでしょう。彼らが参加し、楽しめるプロモーションを展開することで、サービスやブランドの魅力をより深く伝えられます。
サステナブルでエシカルなブランド戦略
α世代は、環境問題や社会課題に対する意識が高く、サステナビリティやエシカル消費を重視する傾向があります。従来のマーケティング手法ではなく、企業の社会的責任(CSR)や持続可能な取り組みを前面に出したブランド戦略が求められます。
具体的には、環境に配慮した素材を使用した商品開発や、フェアトレードの推進、カーボンニュートラルを目指す取り組みなどを積極的に発信することが重要です。
また、透明性の高い企業姿勢を示し、SNSなどを活用してその取り組みを直接α世代に伝えることで、ブランドへの共感が生み出されます。
α(アルファ)世代の今後と次の世代

α世代の次の世代として、α世代の言葉の生みの親であるマーク・マクリンドルは、αに続く「β(ベータ)世代」を定義しています。そのまま、ギリシア語のアルファベット順にガンマ、デルタ…と続きます。※
英語 | 生まれた年 | |
Z世代 | Generation Z | 1995~2010 |
α(アルファ)世代 | Generation Alpha | 2010~2024 |
β(ベータ)世代 | Generation Beta | 2025~2039 |
γ(ガンマ)世代 | Generation Gamma | 2040~2054 |
Δ(デルタ)世代 | Generation Delta | 2055~2069 |
社会学的なアプローチによる世代分析では、明確な区分を設けて説明的でない名称を使用することで、より客観的な分析が可能となる、というのがマクリンドルの考え方です。
β世代がα世代のように国際的にメジャーな言葉になるかはわかりませんが、α世代との違いや特徴としては以下のようなものが挙げられます。
β世代の特徴
グローバルでは2035年までに人口の16%を占める
コロナ禍が落ち着いた後に誕生している
親がミレニアル世代またはZ世代を含んでいる
多くが22世紀まで生きる
今後の世界情勢やテクノロジーの進化により、β世代以降の特徴は大きく変わっていくと予想されます。
※参考:
【まとめ】ジェネレーションギャップを埋めるには
α世代の特徴やZ世代との違いについて解説しました。
Z世代という言葉が一時期流行りましたが、その次のα世代、さらにその次のβ世代といった言葉まで出てきていることに驚かれている方もいるかもしれません。
世代間のギャップはいつの時代でもあるものですが、急速にIT化や国際化が進んでいる現代では変化のスピードが加速しており、価値観や常識の違いを感じる機会が増えているようです。
職場のジェネレーションギャップを埋めるためには、丁寧なコミュニケーションや対話が鍵となります。
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